LETTER PRESS CLOCK は能登の手漉き和紙を使用し、活字で組んだ活版印刷によって時計の文字盤を印刷した、
時計の文字盤という、紙一枚の製作に手間と時間をかけ、その文字盤自体が手をかけられた時を表すとも言える掛け時計です。
茶色い紙はアテ(能登ヒバ)という能登特有の木の皮を漉き込んで製作した手漉き和紙。
能登で昔から手漉き和紙を漉いている、三井の遠見さんに漉いていただきました。
輪島三井の山奥の奥、川を遡っていくと山の麓に遠見さんの工房が建っています。
煙突から煙が上がっていると、漉いた和紙を薪で乾かしているんだなあというのが分かります。
中ではいつも黙々と作業する遠見さん。
お願いした紙のサイズと材料と、厚みも特注で作っていただきました。
写真は時計用の紙ではありませんが、アテ(能登ヒバ)の木の皮を漉いた和紙。
木の皮の茶色い色が残っています。
均一に掬い取られた木の繊維がとても綺麗です。
これを鉄板で乾かして乾燥させれば二行和紙の完成です。
この特別な和紙を、金沢で活版印刷業を営む尚栄堂さんに持ち込んで、時計の文字盤の印刷をお願いしました。
尚栄堂の主人、猫のスミレちゃん。
印刷機の合間を自由に行き来しています。
活字で組んだ文字盤の版。
パソコンでデザインした数字から樹脂板を作ることもできますが、
今回はあえて、活字を組んで製作していただきました。
物としての重量を持つ活字にインクをのせて、紙の繊維にプレスして出来上がる凹凸とインクの風合いは、
樹脂板と活字とでもなんとなく風合いが違うのだそうです。
金属の活字の方が字の輪郭、エッジが微妙に立つので、はっきりと見えて見やすいのだそうです。
組んだ活字を印刷機にセット。
この印刷機も相当な年代物。
刷り上がった時計の文字盤。
柔らかい和紙にプレスされた文字が僅かに沈んでいる。
その微妙なエッジの膨らみが目にやさしく、それでいてしっかりと一個一個の数字を主張しています。
箱に載せる時計のタイトル文字も印刷していただきました。
商品詳細
サイズ: W156×H156×D30mm
素 材: 和紙